陽だまりのなかで

昨日よりも今日もっと好きになったから明日はもっともっと好きなんだろうな

Jr.担を卒業します。

物心ついた頃からジャニーズが好きだった。

ごくせん野ブタ花男、KATーTUNデビュー、Hey! Say! JUMPのデビュー、嵐の大ブレイクを体験し、それはもうごく自然な流れでジャニーズが好きになった。学年の女の子全員嵐ファンというほどの嵐フィーバーだった当時、私も嵐が大好きな女の子だった。
そんな私は、2011年秋頃、たまたま学校に行く前に見たWSのデビュー記者発表をきっかけにSexy Zoneにハマっていた。彼らを追っているうちにジャニーズJr.ランドという番組の存在を知った。


そのJJL(ジャニーズJr.ランド)初回放送で見つけたのが彼だった。
カエルの写真を撮っていた彼にいきなり心を掴まれた。あどけない表情、華奢な体、声変わりする前の声、全てが可愛かった。第一印象がとにかくタイプだった。初めは、そんな単純な理由だった。それからSexy Zoneと共に追うようになり、2012年春のSexy Zone 横浜アリーナコンサートで担当に決めた。
その頃、彼は紛れもなくセクバと呼ばれるSexy ZoneのバックJr.のトップだった。アイドル誌やザ少年倶楽部ではセクバのセンター、スプラウトや幽かな彼女などのドラマ出演、先輩に混じっての31のCM、Wink Upの放課後Jr.というJr.の新連載ではトップバッターをつとめた。セクバで一番初めにポポロに載ったのも彼だった。間違いなく、エースだった。
先輩のコンサートで喋れる場面があれば「横アリー!今日はありがとうー!」とソロコンサートばりの煽りをし、 下手っぴな腰振りをし、チャラ男に徹していた。それから彼はずっとチャラ宮寺とかチャラ男とか呼ばれながらも、セクバJr.の最前線を走り続けていた。
私が彼を好きになった大きな要因が、「必死さ」だった。ダンスはあまり上手じゃない、超がつくほどの美形なわけではない、歌が抜群に上手いわけでもない。彼にはこれといっての武器がなかった。
だからこそ彼は、いつも賢くて必死だった。どうやったら爪痕を残せるか、どうやったらこのJr.戦国時代を生き抜けるかだけを考え、賢く走り続けていた。普段は割と落ち着いた性格だったのに、周りの人や時にはファンからバカにされても一貫してビジネスチャラ男を演じ続け、カメラ目線は絶対に外さず、喋れるタイミングがあれば前に出て積極的に喋り。一人でも多くの人を自分のファンにしてやろう!という気概を強く感じた。
そんな彼が好きだった。

2013年春、幽かな彼女で共演した岩橋くんとシンメを組んだ。これが運命だった。チャラ男を演じることが辛くなり始めた頃、じぐいわシンメとして新たに道を進み始めた。絶好のチャンスだった。また新しいファンを獲得してJr.界を生き抜く為の、新たな一手だった。
後に彼は、岩橋くんとの出会いをこう語っている。
「初めてちゃんとしたシンメができたから、これ以上変えたくないっていう思いもあったし、2人で頑張りたいって思った。」
それから、シンメとして結束を高める為に、仕事もプライベートもずっと一緒に行動し、色んな出来事、感情を共有し、喧嘩も数え切れないほどしてきた。そんなじぐいわのカップルのような振る舞いに嫌悪感を示す人は少なくなかったけれど、彼らは周りの声など全く気にせず、セクバの顔として、Jr.を代表するシンメの1組として、必死に駆け抜けた。春のクリエも、現場が殆どなかった夏も、秋のドリボも、冬のJWもずっと一緒だった。

2014年のクリエで岩橋くんは事務所の大人に、「いつも一緒のじぐいわではなく、他の人とグループになって公演を行わないか?」と言われたという。岩橋くんは、「じぐいわでやりたい」と言ったが、事務所の大人には「それは友情だからか?」と言われた。でも岩橋くんは、「応援してくれてる人に応えることも大事」と主張し、結果的にじぐいわと、当時一緒に活動することが多かった岸宮近と、新しく顕嵐を呼び、Sexy Boysでクリエを行った。この5人は当時とても人気だった。いや、今でもこの5人が好きな人は沢山いると思う。私もこの5人がすごく好きだった。5人で雑誌の表紙を飾ったり、ポポロにずっと5人で出たり。5人で歌った$10は今でも脳裏に焼き付いてる。この5人でデビューしてくれればいいのになぁとその時思っていた。プライベートでも仲が良い5人は、青春そのものだった。実際はキンプリが結成され、この5人での活動は無くなったが、今思うと、この5人でデビューさせなかった事務所の気持ちが分かる気もする。確かに人気もあり華もあり勢いがあったが、プライベートでも仲が良すぎるゆえに、どこか仕事としての5人の姿が見えなかった気がするから。
でもこの5人での活動は、本人達にとっても私達にとっても忘れられない、大切な青春の1ページとして刻まれている。

セクバのエース、しぐいわ、Sexy Boysとして活躍した彼が、次に注目を浴びたのはガムシャラ夏祭りの「チーム者リーダー」だ。
彼は、本人も公言するほどダンスがあまり得意ではなかった。それが、チーム者のパフォーマンスであるファンカッションを経験したことでリズム感がついて、ダンスの上達に繋がった。また、それまではチャラいキャラクターが先行してしまいあまり知られていなかった、彼の素の優しさや気配りがチームのメンバーのみならずファンに驚きを与えた。
チーム者のファンカッションは圧巻だった。5人の掛け声、会場に響くファンカッションの振動、緑色で埋め尽くされたEX。
私にとってずっと忘れられない、夏の思い出だ。

キンプリが結成されたのは、偶然なんかではなく、「必然」だった、と思う。
関東若手Jr.で人気を誇っていたじぐいわ、SHOCKを経て成長した岸くん、関西でトップだった紫耀くんと廉くん、ダンス経験者として推されていた海ちゃん。人気、華、仲良しこよしだけの関係性ではないこの6人は、誰がどう見ても「売れる」グループに見えた。2015年のサマステ最終公演で、期間限定だったMr.King
VS Mr.Princeの継続が発表された。「皆さん、俺達についてきてください!またすぐ会えるから!」。彼はそう言った。
2015年、私は受験生だったので1年間現場に行くのを我慢していた。Twitterやテレビなどは見続けていたので、キンプリの継続を知った時はとても嬉しかった。今年受験生で見れなかった分、受験に受かって大学生になったらキンプリに会える!と思って、頑張って勉強した。
春になり、私は第一志望の大学に合格した。
けれど、そこに私の見たかったキンプリの姿はどこにもなかった。
いつの間にかMr.が取れ、Princeになっていた。
大学に入学し、それなりに忙しくしていた私は、あまり彼を追えてなかった。いや、本当のことを言うと、意識的に追わなかったのかもしれない。
見るのが辛くて。
だって、だってね、彼はずっとエースだったんだ。
セクボのエースで、じぐいわはJr.の顔ともいえるほどのシンメだったし、Sexy Boysの5人組の人気は凄かったし、キンプリは言わずもがな。そんなずっとトップの位置にいた彼が、明らかに降格した。それが私には理解出来なかった。彼にはずっと1位グループで走り続けていて欲しかった。
でも、そんな気持ちはPrinceを見てると自然と浄化された。
Princeの見せてくれたものは、とても美しかった。これ以上何もこぼれ落ちないように3人で手と手を取り合い、優しくファンを包み込んでくれた。Princeの醸し出す温かい雰囲気、ファンとの関係性、パフォーマンス、曲、Princeというグループの存在自体が、私の心を満たしてくれた。
Princeになって、彼は10代から20代になり、今までよりもずっとずっと穏やかな顔つきに変わっていった。変に肩ひじ張らずに、リラックしていて、岸くんや岩橋くんとたくさん笑いあっていた。
Princeとして過ごしてきた日々が、私は大好きだった。







彼に出会わなければ良かったとか、彼に出会えて良かったとか、そういうことは思わないです。
でも、もしも、彼を好きになって、現場に足を運び、担降りし、重ねてきた思い出を全てもう一度ふりだしから、彼を知る前からやり直せるとしても、私は同じ道を歩むと思う。
きっとどこかで彼に出会い、好きになる。


デビューが決まった後のアイドル誌でこんなことを言っていました。
「今は7年くらいあったJr.時代がすべてだけど、今後、デビューしてからの活動がその7年を超えていくと思うと、いつか忘れちゃう日がきそうで怖い」

デビューしたからといって、Jr.時代の歩んできた道のりが、軌跡が消えることは絶対にありません。

でも、
いつしか、
その記憶が薄れてしまう日がきても、
Jr.時代を振り返らなくなる日がきても、
思い出せるように
今は、Jr.時代に彼が歩んできた大切な記憶や思い出を、綴る。

セクバとしてがむしゃらに頑張っていたことも、ビジネスチャラ男を演じていたことも、下手っぴな腰振りをしてたことも、じぐいわとしてシンメ売りをしていたことも、仲良しな5人組でSexy Boysが組まれたことも、Sexy Boyzとしてガムシャラ夏祭りをサポートしたことも、チーム者の熱い夏を見せてくれたことも、Sexy Familyだったことも、初期キンプリとして圧倒的人気を博していたことも、PrinceとしてPrincessに幸せをもたらしてくれたことも、全部忘れない。たとえ忘れたとしても、これを読んで思い出したい。
ぜんぶ、彼を形作る大切なパズルの1ピースです。


彼は、こう言いました。
「遠くに行っちゃうみたいでさみしいと言われることもあるけど、いつかは巣立たなきゃいけないし、それを目標としてきたから応援してほしいな」

私はこれからも彼が目指すものを、ずっと応援していきたい。
King & Princeとして描く未来が、とても楽しみです。








ジャニーズJr.として過ごしてきた7年と6カ月と22日。


それは、あなたが人生を捧げてきた証です。




神宮寺勇太くん、

ジャニーズJr.お疲れさまでした。

CDデビューおめでとう。


私は明日でJr.担を卒業します。