陽だまりのなかで

昨日よりも今日もっと好きになったから明日はもっともっと好きなんだろうな

DREAM BOYS 2019 備忘録

もし、死ぬ前に、人生最後に観るステージを一つ決められるとしたら、私は今年のDREAM BOYSを選ぶ。


今日まで生きててよかった。
応援してきて間違いはなかった。
公演終了後、全身の力が抜けて、ただ涙を流すことしかできなかった。
そんな舞台は、人生で初めてだった。



私は神宮寺くんのコンビで、他のどんな組み合わせよりもWゆうたが好きだ。
それはこの2人の関係性に心の奥底から憧れているからだと思う。
2010年のSUMMARYをきっかけに仲良くなり、そこから2人はずっと一緒だった。周りの仲間たちが退所したり、ユニットを組んだり…今のJr.界隈とは違ってまだとても流動的だった頃、Wゆうたは多くの時間を同じステージの上で過ごしてきた。貴重な青春時代を共に過ごしてきた大切な仲間。
Wゆうたはシンメではない。
大親友でもない。
ただ、誰よりも信頼している戦友だ。
長い間、楽しいことも辛いことも共有してきて、たくさん笑いあい、刺激しあって、今も変わらず同じステージに立っている。そんなWゆうたの奇跡のような軌跡を心の底から愛しているし、強い憧れを抱いている。絶対的な信頼と友情がそこにはあるから。決して馬鹿にしたり茶化したりしない純度100%の絆と絶対的信頼があるから。
この2人がどれだけ頑張って今のステージにたどり着いてきたかが分かるから、私は過去を思い返すたびに、今のWゆうたへの想いが強まる。

Wゆうたが2TOPでドリボをやると聞いた日には、もう嬉しくて嬉しくてたまらなかった。夢かと思った。
そのうえ、岸くんの尊先である光一くんが演技指導、タッキーが演出、そしてジャニーさんの最後の総合演出。多くの大人が2人の記念すべきステージを支えてくれる事実に涙がでるほど嬉しかった。
私はWゆうたに圧倒的信頼を置いているから、絶対的に素晴らしい舞台なんだろうという確信があった。

しかし、その期待を遥かに上回る素晴らしい舞台だった。
とにかく素晴らしかった。
なんといっても、芝居、歌、が素晴らしかった。今まで帝劇で二人の演技や生歌は見てきて、そのたびにその技術力に惚れ惚れしていたが、実力に見合わぬ日々が歯がゆかった。着実に成長を遂げている2人をいつか誰かが認めてくれるんだろう、と。そんな未来をずっと待っていた。
そしてやっと訪れたこの時。

ジャニーズ伝統舞台の座長と準主役を掴み取ったWゆうた。2人のポテンシャルが花開いていた。贔屓目は拭えないが、岸優太の”ユウタ”と神宮寺勇太の”ジン”が確かにそこに存在していた。DVDで予習した役のイメージだと、ユウタは弟の為チャンプの為すべてを自分で背負いガムシャラに生きる男であり、一方チャンプは不良のような怖さと強さを持つが実は理解者である男、というイメージだった。けれど、今年のユウタとチャンプはそこに岸くんの人柄と神宮寺くんの人柄が重なり、一味違った。岸くんが持つ柔らかさと人間臭さがどこまでもユウタを厚い人間にしてくれていた。神宮寺くんの冷静さと強さがチャンプをより真の強い男にしてくれた。
本当の強さと優しさを、2人が身をもって教えてくれた。
また驚くことに殆ど生歌だった。King&Princeはコンサートでも歌番組でも生歌が多く、とにかく実力を現在進行形で伸ばしていける環境にあるグループであることは知っていた。でもまさかドリボでもその方向性が活かされるとは思わなかった。しかも、普段のコンサートや歌番組での生歌の歌い方とは絶対的に違う、ミュージカルの歌声をしていた。私はミュージカルが好きで、ジャニーズ以外もよく見に行くが、ドリボのWゆうたはミュージカルスターの姿だった。発声から、喋り方、ひとつひとつ繊細で気を使いながらでものびのびとした歌声で会場に響かせていた。この2人の変貌が、成長環境が嬉しくて嬉しくて。一から成長できる機会を与えられたこと、そしてこの挑戦を確実に成長に繋げているWゆうたの姿がそこにはあった。



今回のDREAMBOYS、劇中歌やセリフに今までの二人が描いてきた物語とリンクするシーンが多くて、その一つ一つのセリフと今までの宝物のような思い出の日々のパーツが重なった瞬間、私は涙が止まらなかった。始まってから終わりまで一筋の涙を零し続けていた。


そのひとつ、劇中のこのセリフ。

ユウタ「夢は叶うとは限らない。大切なのは、それでも夢を持ち続けることだ。」「チャンプは夢を叶えた。」

ジン「諦めるな。夢は必ず叶う」

この台詞を聞いた時、今までの二人のジャニーズJr.人生がフラッシュバックした。
目の前の仕事に全力で取り組み、夢に向かって着実に歩みを進めていた岸くん。
常に夢を口に出し何があっても諦めなかった神宮寺くん。
同じステージ、同じグループでいることが多かったWゆうたは、お互いへの夢への挑戦をこんな風に支えあっていたのかな、って。
いつだかの雑誌で嶺亜がこんなことを言っていた。「神宮寺はSexy Zoneがデビューした時、『俺も絶対デビューする』って夢や目標を口に出していく男だったんです。そうやって自分を奮い立たせていたのかもしれないけど、彼の影響でみんなスイッチが入って、何となく続けてきた俺も"ジャニーズで頑張ろう"って思う心の準備ができた」
神宮寺くんはいつだって前を向いてきて、絶対に諦めない人だった。弱音を吐かず、常に向上心だけをもち、夢を叶えた。だからこそ、チャンプのこの台詞には大きな説得力があった。一つ一つの仕事に全力で取り組みいつまでも夢を持ち続けたユウタと、絶対に夢を諦めないで自らや周りを奮い立たせてきたジンが、今、夢を叶え、二人でこの帝国劇場の舞台に立っている。
こんなにも美しい軌跡を私は他には知らない。
私は2人のこの志に心底惚れ込んでいるんだ。



2人が手を握った瞬間、2人が熱い抱擁を交わした瞬間、見つめあって「終わらない夢を描こう」と誓った瞬間、岸くんが圧巻のソロ曲で魂を削っていた瞬間、神宮寺くんがアカペラで劇場を震撼させた瞬間
このひとつひとつの瞬間に、Wゆうたがこれまで築き上げてきたこれまでの努力の日々と二人の信頼関係が走馬灯のように蘇り、本当に涙が止まらなかった。
やっと、やっと、ここまで来たんだな、って。
あの日、SUMMARYで颯くんと一緒に君君を歌っていた少年が
あの日、必死にカメラに食らいつき全力で自分をアピールしていた少年が
私なんかが言うのはおこがましいけれど、認められるべきWゆうたが至極正しい見方で認められ、そしてこの機会をまた確かなものにしていることがたまらなく、嬉しくて、誇らしくて。
人間コツコツ頑張ってたらいい事あるんだな、ということを2人は身をもって証明してくれた。


私はWゆうたの仕事人っぷりに絶大な信頼を置いている。
2人だって始めからステージへの敬意を払い、120%の誠実さでステージに立っていたわけではない。写真集で語っていたが、SHOCKを経験したことで初めて仕事への自覚が芽生えた岸くん。しかしじぐいわのリハ風景にがっかりした瞬間があった事実。けれど、だけれども、いろんな景色をみて、色んな経験をしていく中で、ステージに立つことがどれほど尊く、価値あることかを彼らは段々と自覚していった。
そんなWゆうたが今まったく同じ熱量で同じ方向でステージに立ち、お客さんを魅了している事実が嬉しい。

「一歩ずつでいいさ この手を放さずに 共に歩んだ日々が 生き続けてるから ボロボロになるまで引き裂かれていても あの時のあの場所消えないこの絆」

Wゆうたの共に歩んできた日々が2人の全てを証明し、このステージに導いてくれた。

私はつい2人のこれまでの物語と重ね合わせて、勝手に付加価値を付けて、つい感傷的な気持ちになってしまう。
そういうことは沢山あった。
でももしかしたら、今回の涙を流した本当の理由はきっと違うのかもしれない、とふと思う。
なぜ私はDREAM BOYSを見てこんなに泣いたのか。
それは、
今までとか、これからとか、そんなこと全部取っ払って、ただ今この瞬間の目の前に立つWゆうたの輝きに涙を流した。
帝国劇場に立つWゆうたは、間違いなく世界一輝いていた。
人は、何も変えられない眩さを目の前にした時、自然と涙を流してしまうんだと思う。


三方礼のとき、何とも達成感に満ち溢れた表情をしていた。フライングで眩しいほどのスポットライトを浴びている時もそう。こんなにも充足感に満ち溢れた人間の姿がこの世にはあるんだ、と震撼させてくれた。
ステージに立つ意義を理解し、毎日同じだけの熱量で、ステージに敬意を払い、命を削るWゆうたを心から尊敬する。
2人にしか出せないプロの仕事。
そして、今この瞬間を噛み締めるかのように楽しそうにステージで笑顔を咲かせる2人の姿が何よりもそれを証明してくれる。
これからも2人は、共に歩み、そしてその日々が、これからの全てを証明してくれるんだろう。

本当に、本当に、本当に、素晴らしいステージだった。
ジャニーさん、ありがとう。